広場にて
列車では
ラグビーチームの青年たちと
同じコンパートメントだった
陽気な彼等は
長年の友人のように
話しかけてくるが
いかんせん言葉は通じない
そのうち
一人が鞄から
大きなペットボトルを取り出した
回し飲みを始めた青年たちは
当然のように
僕をその輪の中に加える
コーラ
コーラ
と口を揃えるが
どう見ても中身はコーラではない
その色合い
匂いは
紛れもないワインのものだった
好奇の眼差しの中
一口飲んで隣りの青年に回すと
あれよあれよと
再びペットボトルは
僕の目の前に
もう充分と意志表示をしても
許してはくれない
ルーマニア人のワインの
回し飲みのペースは
途轍もなく早い
ようやくペットボトルが空になり
ほっとしていると
そんな僕の心を見透かしたように
鞄から二本目のペットボトルが出てくるのだった
シビウの町に着いた時
僕はヘベレケで
千鳥足で宿探しに向かった
ラグビーチームの青年たちと
同じコンパートメントだった
陽気な彼等は
長年の友人のように
話しかけてくるが
いかんせん言葉は通じない
そのうち
一人が鞄から
大きなペットボトルを取り出した
回し飲みを始めた青年たちは
当然のように
僕をその輪の中に加える
コーラ
コーラ
と口を揃えるが
どう見ても中身はコーラではない
その色合い
匂いは
紛れもないワインのものだった
好奇の眼差しの中
一口飲んで隣りの青年に回すと
あれよあれよと
再びペットボトルは
僕の目の前に
もう充分と意志表示をしても
許してはくれない
ルーマニア人のワインの
回し飲みのペースは
途轍もなく早い
ようやくペットボトルが空になり
ほっとしていると
そんな僕の心を見透かしたように
鞄から二本目のペットボトルが出てくるのだった
シビウの町に着いた時
僕はヘベレケで
千鳥足で宿探しに向かった
つづく